「責任裁定」いよいよ大詰め!
私たちは、国(環境省)と日産をはじめとする自動車メーカーに「ぜん息患者医療費救済制度」(ぜん息に係る医療費の個人負担をゼロに)創設を求め、2022年6月、国の「公害等調整委員会」に「責任裁定」の申立てを行いました。年内にあと3回の審問が予定され、結審することが確定しています。委員長からは、「年明けからは、『裁定』書きに専念したい」との方針が語られました。いよいよ「責任裁定」の判断が下される大詰めを迎えようとしています。
申立団は、自動車排出ガスによってぜん息を発症した因果関係の責任を明らかにすることは、もちろんのこと、ぜん息で苦しむ被害者の救済制度創設の一歩になる「裁定」を望んでいます。それをテコに国にはぜん息患者の医療費助成制度を創設し、自動車メーカーには応分の費用負担を求めるものです。
自動車排ガスとぜん息発症の関係明らか
環境省は、2005年~2009年にかけて「局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査」(「そらプロジェクト調査」)を実施しました。その調査の報告では、「EC及びNOx推計曝露量を指標とした自動車排出ガスへの曝露とぜん息発症との間に関連性が認められた」と報告されています。ECは「自動車排出ガスの寄与の大きい成分」「室内外で自動車以外の発生源がほとんどない」と指摘しています。環境省が行った調査でも明らかになっています。
日産は真摯に患者と向き合え
7月16日初めて日産は、社内に代表を入れ被害者の声を聞きました。残念ながら、聞きおくというだけで、何一つ返答をすることはありませんでした。
日産は、自動車排出ガス対策を十分に行わず、大気汚染を引き起こし、被害者を生んだのですから真摯に被害者に向き合ってほしいと思います。