川崎公害病患者と家族の会―増え続けるぜん息患者と新たな救済制度へ―

福田市長の「最幸のまちかわさき」の本音は

福田市長の「最幸のまちかわさき」の本音は

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苦しみは見ざる

 ぜん息は「死に直結」病気です。
 厚生労働省の「ぜん息死ゼロ作戦評価委員会が発表した「喘息死ゼロ作戦の実行に関する指針」には「発作開始後1時間以内が13.6%、3時間以内とあわせると29.7%と、急死が多い。」「喘息死の予防には、炎症を鎮静し維持するための治療」「炎症を標的にした長期管理の治療の実行が有効」と指摘しています。医療費助成制度は長期管理の治療を続けるうえで、とても大切な制度です。福田市長は、お金がかかるから廃止と云っています。「廃止」しようとしています。

声は聞かざる

 患者会や市民が福田市長に制度を「なぜ廃止するんか」と話し合いの場を持つように申入れをしましたが、福田市長は、患者や市民と直接会う場を持つことを拒絶しました。なんと本会議の場でも「会う必要はない」と拒否!
 福田市長は市民と直接会って話を聞くのが嫌なのでしょうか。

市民には言わざる

 議会で、ぜん息患者の医療費救済制度が果たしている成果を問われた川崎市は、どの段階でも検証したことがないと驚く回答。
 それでもぜん息患者の医療費救済制度は廃止!都合の悪いことは言わない。

【うらページ】

歯科保健センター4か所から3か所へ

 福田市長は、川崎市行財政改革第3期プログラム素案(令和3(2021)年11月)で「社会経済状況の変化を踏まえた市民サービスの再構築」と称し、健康福祉局関連対象事業№1として①「高齢者外出支援乗車事業の見直し」では「フリーパス式の上限回数設定」「利用者負担の増額」②「成人ぜん息患者医療費助成制度の在り方の検討」川崎地域医療審議会答申で「小児ぜん息患者医療費助成制度」を含め廃止、③「重度障害者医療費助成制度の見直し」では、「社会状況を踏まえた見直し内容の検討」、④「高齢者に対する市単独事業」の見直し、⑤「休日急患診療所の運営手法の見直し、移設等の検討」、⑥「歯科保健センター等診療事業のあり方」⑦「生涯現役対策事業の見直し、効率的、効果的な実施」⑧「障害者施設運営補助のあり方の検討」が掲げられています。

障害者の増加、高齢化の進展、市民ニーズに応え?

 福田市長が掲げる「行財政改革第3期プログラム」素案の内容について、健康福祉局に関連する課題をシリーズで考えていきたいと思います。
 今回は⑥「歯科保健センター等診療事業のあり方の検討」(54ページ)の現状には次のように記載されています。「障害者の増加、高齢化の進展、歯科診療への市民ニーズなどを踏まえて、令和2(2020)年度には障害・高齢者等歯科診療事業について、診療枠の増設と、診療所の集約化(4か所→3か所)による人材の確保を図ることとしました(ただし、令和3年(2021)年度については、経過措置として4か所体制を継続し、令和4年(2022)年度から3か所で実施することとしています)。

「弱者切り捨て」福田市長!

 「取り組みの方向性」では、次のように書かれています。「障害者・高齢者等歯科診療事業については、一般歯科診療所や病院との機能分担などのあり方を整理」「連携体制の構築や、一般歯科診療所における診療対応力の向上に取り組む」「整理結果および施設の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、事業主体である(公社)川崎市歯科医師会と連携し、歯科保健センター等の運営手法や実施場所に関する検討を進めます」と言っていますが「障害者の増加、高齢化の進展」という認識を持ちながらも、すでに診療所の集約化で4か所から3か所に歯科保健センターは減らされています。
 障害者の増加や高齢化の進展という社会状況があるならば、歯科保健センターなどの健康を維持・管理するセンターの役割はより重要になるのではないでしょうか。
 自治体としての公的な扶助を大幅に縮小し、民間に投げ出してしまうことが福田市長の掲げる「最幸のまち かわさき」なのでしょうか。福田市長は、障害者や高齢者の切実な声を聞くことなく、福祉を切り捨ててしまうのでしょうか。